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May 22, 2008

僕は歩いてく ただ淡々と

 ベッドに入ると、いろいろなことが次々と頭に浮かんで眠れない。

母はどんな気持ちで私を置いて逝ったのだろう。
泣いているばかりの私を、どんな気持ちで見ているのだろう。
天国では本当に祖父母と一緒に、楽しく、平和に暮らしているのだろうか。
あのとき、病院で「また来てね」と言った母は、きっと泣いていたのだろう。
ベッドの上で眠っている母を見ているのは、本当に辛かった。
あんなに元気だった母が、あんな姿になってしまうなんて、一体誰が予測できただろう。
あのとき、母は私がそばにいることをわかっていたのだろうか。
最期のとき、母は何を思っただろう。
この世に私を置いて、母は天国で幸せに暮らしているのだろうか。

私の摘出した卵巣は、今、どうしているのだろうか。
病理検査のあと、捨てられてしまったのだろうか。
捨てられて、焼かれてしまったのだろうか。
ほんの少し前まで私の身体の中にあったのに、病気だからと捨てられてしまったのだろうか。
私の残された右側の卵巣の一部は、どんな気持ちで身体の中にとどまっているのだろう。
大半が失われてしまって、残された一部は、一体どんな気持ちだろう。
身体の一部を摘出した私は、すでに完全な身体では無くなっていて、人間としても大事なものを失ってしまったのではないだろうか。

母は、母が産んでくれた私の身体の一部が、摘出されたことを知っているだろうか。
病気になって、手術をして、身体の一部を取り出した私を、どんな気持ちで見ているのだろうか。
身体の一部を失って、心にぽっかり穴があいた私を、母はどう思っているだろう。

母を失って、身体の一部を失って、神様はあと何を私から奪おうとなさるだろう。
「神様は耐えられる苦しみしかお与えにならない」という言葉が本当なら、神様は多分私をかいかぶりすぎていると思う。

 泣いて、泣いて、泣いて。しくしくではなくて、わーわー泣いて、自分の鳴き声で眠れなくて、薬をのんだ。規定量の4倍だったけど、そんなこと気にしなかった。「これでもODというのかな~」と思いながら、ただ、ただ眠りたいから薬をのんだ。

 今夜はどうやって眠ろうか。

(タイトル:嵐『虹の彼方へ』より)

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